詳細なビルド診断情報を追えるようにした Seiro MCP v0.3.0 をリリース

既に v0.3.1 が出ているのでかなり今更なのだが記事を書いていなかったので今更ながら書く。v0.3.0 というバージョンにしたのはなかなかに使える新しい機能が追加されたからなのだ。
まずは、v0.3.0 の話から。
このリリースでは visionOS ビルド時の失敗原因について、通常のエラーメッセージではわからないケースを調査する読み取り専用の MCP ツール inspect_build_diagnostics を追加している。これを使うことにより既に AI 側で入手している job_id をキーとして詳細な (ファイル・行・列の情報が取得できる場合はそれも) 情報を取得することが出来るようになった。
これまではビルドが失敗した場合で原因が不明な場合は頑張ってシェル操作などを使って情報を取得するという作業が発生していたが、それを MCP 側で巻き取った形になる。おかげで AI 側は詳細な情報をもとに原因の追求自体に集中できるようになったはず。
この機能がなかった場合、 AI は xcrun swiftc などを使って頑張っていろいろ調べる。Seiro MCP を導入すると Skill のガイダンスにより優先的に Seiro MCP を使った調査の恩恵を受けられるようにしている。
v0.3.0 リリースで追加された主なものは以下。
- 新しい読み取り専用 MCP ツール :
inspect_build_diagnostics - 追加された構造化ビルドエラー :
destination_ambiguous
destination_ambiguous についても説明をしておく。これは build_visionos_app 実行エラー時に追加されたノードで、例えば環境によっては同名のシミュレータがいくつも見つかる時がある。その場合それを AI が改めて選択するというやりとりが発生してしまうが、その際に Codex 側が混乱することがある。そういう場合に備えて、情報として matched_devices、available_destinations、suggested_destination を返すことにしており、AI 側では suggested_destination を使うことでスムーズにビルドを進めていくことができるようになる。
細かい話で言うと以下の改良もある。
- スキルを使った場合に以下のツールを参照するように支援
inspect_xcode_schemesvalidate_sandbox_policybuild_visionos_appinspect_build_diagnosticsfetch_build_output
- プロジェクトの存在を確認するフェーズで、
.xcodeproj/.xcworkspaceをディレクトリパッケージとして扱うように変更 build_visionos_appが小文字のconfiguration値を受け付けるようにしつつ、後方互換性のある入力エイリアスとしてDebug/Releaseも許容- 公開ドキュメントに多少スタイルの修正など実施
互換性については従来のバージョンと変わらないツールを提供しているので AI の混乱もないのではと推測しているが、Seiro MCP の Skills をインストールすることが前提になっている方向へ進化している。
追記: v0.3.1 について
v0.3.1 はめちゃくちゃ小さな変更なのだが、スキルに専用のメタデータとアイコンを追加した。これにより、Codex App のスキル一覧で汎用アイコンになってしまう問題がなくなった。またスキルのインストーラによりメタデータやアイコンも同時にインストールされるようにした。
